(要約)世界を平和にする!サーチ・インサイド・ユアセルフのススメ

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要約

仕事と人生を飛躍させるには「EQ」が必須だ。怒りに任せて言葉を叩きつけるのでもなく、言われるがままに了承するのでもない、自分と相手の気持ちを精査し、その上で行動する。しかし実際はとても難しいことだ。

そこで「SIY」(サーチ・インサイド・ユアセルフ)の出番だ。これはマインドフルネスをGoogleなりにデザインしたもので、自他に思いやり善良さの心を育むエクササイズになっている。結果的にEQの向上を目指すことができ、幸せの基本設定は下がり、エネルギーなしで至福を味わえるとなればウハウハである。

瞑想って?マインドフルネスってなに?っていう人でも平易な文章で書かれているので最初の一冊としてもおすすめ。

(ちなみに著者はこれで世界平和を実現させようと奮闘してるとのこと、確かにこれならば?…と可能性を抱く)

私的評価:★★★★

 

サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
チャディー・メン・タン ダニエル・ゴールマン(序文)
英治出版 (2016-05-17)
売り上げランキング: 7,666

 

 

この本のポイント!

 

 EQ:自他の気持ちをモニターし、見分け、それに基づいて振る舞いを導く力。これは5つの要素で成り立つ。

  • 自己認識
    • 情動の自覚(情動とその影響に気づくこと)
    • 正確な自己査定(自分の長所と限界を知ること)
    • 自信(自らの価値と能力を強く実感する)
  • 自己統制
  • モチベーション
  • 共感
  • 社会的技能

 

鍛えるにはこれらの視点が必要。

 

反応柔軟性

行動を起こす前に『間』を置く能力。刺激と反応あいだには感覚がある。怒りそのものがあなたではないし、感情=自分自身ではない。

 

失敗モードと復元モード

どのように故障するか知っていれば、直したかたも分かる。自己システムを理解することで対応・復元について詳しくなり、完璧でない自分に寛容になれる。

感情とはなにか?手放すにはどうすればいいか?の理解が必要。 

 

執着を捨てれば、情動と仲良くなれる

「枯れる花に苦しみはない、花が枯れないようにという非現実的な願いが苦しみを生む」

 

思いやり

(=他者の苦しみへの気遣いと、その苦しみが取り除かれるよう強い願望が伴う心の状態)

  • 認知的(私はあなたを理解してる)
  • 情動的(私はあなたに同情する)
  • 動機づけ(私はあなたの役に立ちたい)

 この3つで成り立っており、育むには「善良さを増す瞑想」と「トングレンの瞑想」をやればいい。

 

共感

他人の「生理的状態」を真似ることで相手の状態を実感すること。自己認識が弱ければ共感は起きず、逆に「相手は自分とまったく同じ」(メッタ・バッカーナ)と思えればそれは深まる。

 

3つの仮定

  1. 立証されまで個人の利益を超えるもののために彼らは此処にいると仮定
  2. 誰一人胸に秘めた狙いを持ってないと仮定
  3. 私達は意見が合わない時にさえ、分別ある行動が取れると仮定

この心構えによって相手に寛容になれる。

 

褒める

個人称賛よりもプロセス称賛で「がんばりや取り組み方」を褒める

 

SCARFモデル

(脳が報酬・驚異とみなす5つの領域)

  1. 地位(序列)
  2. 確実性(⇔不確実性)
  3. 自立性(→無力感)
  4. 関係性
  5. 公平性

つまりこういったものに人は脅かされるので、

  • 自分はすでに影響力があることを知り、これを向上させる
  • 人は優しさと信頼性に裏打ちされた自信に惹かれるのでこれを深める
  • 他者を理解し、成功するのを助ける(自分の目標と絡めれば尚良し)
  • 自己利益を守りながら、チームや企業(個人の利益を超えた)に尽くす。

つまり善良さがカギ。

 

 

SIYエクササイズ

 
マインドフルネス

評価や判断は下さず、一瞬の注意をすべて「呼吸」や「肉体」に向け、逸れるたびに戻す。

 

他人のためのマインドフルネス

(評価や判断は下さず、一瞬の注意をすべて人に向け逸れるたびに戻す)

  • リスニング(聞く)
  • ルーピング(理解を示す)
  • ディッピング(自己認識)

「あなたの言っている事は重要みたいだから、理解してるか確かめていいかな?」と促しルーピングをはじめ、しながらディッピングも行う。

 

善良さを増す瞑想 

「息を吸い込む時、自分の善良さを吸い込んでる所を視覚化し、心の中でその善良さを10倍にするのを思い描く。吐き出す時は、その善良さを世の中に与えるイメージで」

「次は他の人の善良さを吸い込み繰り返す。それからは世界にまで領域を広げる」

 

トングレンの瞑想 

「苦しんでる自分」をイメージし、怒り、悩み、ネガティブな感情を吸い込み、自分の中で散り散りになって、光の筋として吐き出す」

「人生に登場する者を対象とし、利己主義さえも跡形なく消し去る」

 

政治的意識のエクササイズ
  • 自分が100%正しく、理にかなうよう主張する
  • 相手が100%正しく、〃

 

ジャーナリング

2分といった制限時間を課し、頭に浮かんだ一切を紙に書き続ける。正直に、ありのままに、書く。思い浮かばなくても書くのをやめない。

 

 

練習を継続するには?
  • 仲間を作る
  • めいいっぱいやらない
  • 期待しすぎない
    • 「瞑想の前に期待をするのはいい、だがしてる瞑想の中は何も期待してはいけない」
  • 難易度を設定する
    • 「この5分に一度でも呼吸に10回連続集中できたら僕の勝ち!」
  • 漸修頓悟
    • 変化のときは急に訪れるもので、努力は少しづつ近づいていってる。

 

 

スッカ(至福)

ここでは「エネルギー不要の喜び」と表現される。いつもそこにあるが、とても静かな心にしかアクセスできないものの、エネルギーを注ぎ込む必要がないとても持続性の高いもの。

マインドフルネスを続けるとこの状態に入りやすい。

 

大脳基底核

いっさいを観察し、そこから決定の規則を引き出す部位。これは原始的なので言葉にできない(言語を司る大脳皮質とは繋がっていない)。ただ情動中枢や内蔵とはよく繋がっていて「これは正しい、これは間違ってる」そんな気持ちや感覚で伝える

 

 

 

サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
チャディー・メン・タン ダニエル・ゴールマン(序文)
英治出版 (2016-05-17)
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