(要約)これで丸わかり!/飲茶の最強! のニーチェ

f:id:kukuran:20180706084410j:plain

 

 要約

著者の飲茶は 「ニーチェは前向きな生き方を説き、だからこそ読み継がれてきた」とする。ここをベースにOLのアキホちゃんと対話形式で実存哲学にに迫る一冊。

ここでのニーチェ哲学をまとめれば「無価値な世界で、自らの意志で価値を作り、それを積極的に楽しみ生きること」となる。非現実的な価値観を壊す(背後世界の否定)→人生に意味なんてないって気づいちゃった!(ニヒリズム)→死ぬことすらも「死は救いだ」というありもしない意味を見出してるにすぎない!→前向きに生きるには今この瞬間を力強く生きる!(超人)→芸術はその最たる手段になりえよう!(力への意志)、という感じだろうか。

対話形式&図解で読みやすいので入門書として最適だ。

私的評価:★★★★

 

飲茶の「最強! 」のニーチェ
飲茶
水王舎
売り上げランキング: 17,999

  

この本のポイント!

 

哲学には、フィロソフィー(知恵を愛する)メタフィジックス(物質を超えた)という意味があり、またギリシャ語でタウマゼイン(驚き)――「世界はなぜある?生命とは?」――から、「知を愛する」ことが生まれたと言う。

そして2つに分類される。

  • 本質哲学:物事の本質について考える学問
  • 実存哲学:現実存在について考える学問

実存哲学は「本質についてばかり教える既存の哲学への批判」としての経緯がある。

 

背後世界

  • ありもしない意味を求めて、失望する人間の構図。現実とこれらは本来関係ない

ニヒリズム

  • 人生に意味はなくなり、生の高揚感はなくなる

末人

  • 目標も夢もなく、ひたすら時間をつぶすだけの人生を送る人間

 

神は死んだ 

  • 我々の手によって「神を信じられなく鳴る」土壌を作り上げた。人間に意味を与える絶対的な価値観はいつか壊れる

 

 強く/優れたモノ=よい

  • 本来はこうだったが、キリスト教によってこの「よい」が逆転した。

キリスト教

  • 原初は復讐の神だったが、時代が下るにつれ「受苦の神」になった。現実での復讐を諦め、空想上の復讐へと変わった。

弱い=善い

  • 歪んだ価値観「嫌な目にあっても怒らずに受け入れる事を美徳とする価値観」。優秀な人間ではなく、おとなしくて弱い人間をよしとするのもこれが原因だろう。これを奴隷道徳とよび本来の生を押し殺してるとニーチェは言う。

 

永劫回帰

  • 永久に(宇宙全体が)同じことの繰り返し→あらゆる価値がなくなった状況→最強最悪の世界ケースを想定。

↓ (前向きに生きるには?)

超人

  • いずれくるニヒリズムの世界を雄々しく生きる新しい人間。『力への意思(=強さを求める生物本来の欲求)のままひたすら高みを目指す人間』として紹介されることもあるが、「永劫回帰の運命をまっすぐ受け入れて、それでも人生を力強く肯定できる人間」をニーチェは超人と呼んだ。

直線上の時間軸

  • 始まりから終わりに進み、「いつか何かある!」思い生きる。西洋的な考え方。しかしこれ自体が背後世界であるし、年齢を重ねるにつれその「なにか」が減少せざるを得ない構造を抱える

円環の時間軸

  • 「未来に価値がない」ことに気づき、今を生きる考え方。

 

大いなる正午

  • 真上からの強い光によって影そのものが消えてしまった情景。つまり「色のない世界」「与えられた価値が消えた世界」を指してる。すべての意味が消えた「後」はどうするのか? 人はより高みを目指し、より強く成長したい(=生物本来の自然な欲求)があるからニーチェは心配してはいないとのこと。

 

芸術

  • 力への意志が自分にとって「よいもの」を目指したい精神的な欲求だとするなら、芸術は自分にとって「よいもの」を目指してそれを表現する行為といえる。この2つは重なり合うため、芸術とは幸福に生きる手段となり得る。

 

 

飲茶の「最強! 」のニーチェ
飲茶
水王舎
売り上げランキング: 17,999

その他